ハイパフォーマンス・チームの作り方―鍵はP.E.R.F.O.R.M.
日本人が不得手なVUCAにおけるチーム作り
VUCAという言葉を聞いたことがある方は少なくないと思います。VUCAは、Volatile(不安定)、Uncertain(不確実)、 Complex(複雑)、Ambiguous(曖昧)という4つのキーワードの頭文字で、今日の企業が直面する状況を言い表すものとして、多くの有識者が言及するようになりました。
VUCAの時代においてリーダーは、チームを素早く立ち上げ、チーム全員の知恵や力を結集することで乗りきらねばなりません。さらには、オープン・コラボレーションの動きに象徴されるように、多彩で多才なメンバーを集めてチームを作ることが求められます。これまで、同じ会社で同じような経験をしてきた人たちで編成されるチームで働いてきた日本人にとって、このようなチームの運営は簡単なことではありません。
チームビルディング・ワークショップはどこまで有効か
VUCA の時代を乗りきるべく、チームビルディングのための施策をとる組織も増えてきました。典型的なチームビルディング・ワークショップでは、メンバー同士がより深く知り合い、協力し合える仲になるために、様々なゲームを通じて学んだり、屋外で崖上りや川下りなどのチャレンジを行ったりします。
こういう類のワークショップの有用性を否定するものではありませんが、スタンフォード大学ビジネススクールのマーガレット・ニール教授などは、「皆がいい気分にはなれるだろうが、チームのパフォーマンスを上げるような効果はない」と手厳しい評価をしています。
ハイパフォーマンス・チームに必要なP.E.R.F.O.R.M.の7要素
そもそも、高いパフォーマンスを上げるチームに必要なものは何でしょうか。ケン・ブランチャード社は研究によって7つの要素を見出しました。なんと、その7つの頭文字を並べるとPERFORMとなり、それらが成果を上げる(=perform)チーム につながるという訳です。その7つの要素は以下のとおりです。
Purpose and Values ・・・目的・使命と価値観
Empowerment ・・・エンパワメント
Relationships and Communication ・・・関係性とコミュニケーション
Flexibility ・・・柔軟性
Optimal Productivity ・・・適正な生産性
Recognition and Appreciation ・・・認知と感謝
Morale ・・・モラル
チャーターとSLIIモデルでハイパフォーマンス・チームを作る
この7つの要素を兼ね備えるチーム作りに役立つ2つのツールをご紹介しましょう。
1つはチーム・チャーター(憲章)です。チーム・チャーターとは、チームの目的や守るべき規範、メンバーの役割分担や権限、そしてコミュニケーションの取り方の原則などが記されます。リーダーがメンバーと相談し合いながら、チャーターという形で明文化し、共有することが効果的です。
もう1つのツールは、部下育成のフレームワークでお馴染みのSLII®モデルを、チームに当てはめ応用させたモデルです。このモデルによって、チームのモラルと生産性の状況を見極め、状況に応じてリーダーが柔軟にスタイルを対応させる方法がわかります。
チーム・チャーターの作成と活用の仕方、そしてチームの状況に応じてリーダーシップスタイルを対応させるスキルは、ブランチャードの「チーム・リーダーシップ研修」でより具体的に学ぶことができます。詳しくは、こちらをご覧ください。
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