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あなたの会社でパフォーマンス・マネジメントは機能していますか?
近年、日本の企業の間でパフォーマンス・マネジメントを導入する動きが多数見られるようになりました。パフォーマンス・マネジメントとは、大別すると、期初の目標設定、期中の指導、期末の業績評価の3分野で構成されています。
一見、従来の目標管理制度と変わりないように見えますが、パフォーマンス・マネジメントにおいて重要なことは、組織と社員の間におけるWinWinの関係性です。
たとえば目標設定では、組織が社員に求める成果を明確にすると同時に、その目標達成を通じた社員への成長機会も提示する必要があります。また、面談では1年といった短期的な目標や業績結果についてレビューするだけでなく、中長期的に社員が目指すキャリアについて考察したり支援したりする機会とならなければなりません。つまり、パフォーマンス・マネジメントのプロセスとは、組織に必要なことと社員個人が目指すことのすり合わせ作業なのです。
このように、パフォーマンス・マネジメントは、業績向上と社員の成長という企業にとって最も重要な2つのことを両立させる基本的仕組みですが、仕組みを導入したものの、目標シートや評価シートを埋めるペーパーワークに終始してしまったり、マネジャーが社員に目標達成のプレッシャーをかける道具にしたり、評価面談ばかりに焦点が当たったりと、上手く運用できていないという嘆きの声を人事担当者からよく聞きます。
それでは、もっと古くからパフォーマンス・マネジメントを導入していた海外の企業ではどうなのでしょうか。
今年、米国のケン・ブランチャード社が、主要業界誌であるTraining Magazineと組んで、パフォーマンス・マネジメントのプロセスに関する調査を行いました。調査では、Training Magazineの読者で企業の人事担当者456人に、パフォーマンス・マネジメントに関する70の質問をアンケート方式で回答してもらいました。
その70の質問を10に集約した回答結果が開示されているのですが、それをご紹介する前に、まずご自身の会社について評価してみてはどうでしょう。下の表には、上司が部下に対して行う10の行為が列挙されています。それぞれについて、部下が自分の上司にその行為をどの程度してほしいと思っているか、そして実際に上司は部下にどの程度その行為を行っているかを、次の6段階で評価してください。
1. ほとんどない 2. めったにない 3. 時々 4. 頻繁に
5. とても頻繁に 6. ほとんどいつも
最後の列では、ギャップを計算します。例えば、ある質問では、部下は上司に「頻繁に」それをすることを期待しているのに対し、実際のところ上司は部下に「時々」しているとしたら、A=4、B=3、ギャップは (4-3)÷4 = 25% ということになります。
お気づきと思いますが、質問1, 2は目標設定、質問の3, 4, 5は日常的指導、質問の6, 7, 8, 9, 10は期末評価に関わることです。したがって、パフォーマンス・マネジメントが完璧に機能していれば、ギャップがなくなるはずですが、皆さんのスコアはいかがだったでしょうか。
ケン・ブランチャード社とTraining Magazineの調査では、全ての項目に渡って20%以上のギャップが見られました。現実はなかなかうまくいきませんね。
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では、どうすれば、上司は、部下の期待を満たすことができるようになるのでしょうか。
ブランチャードの主力プログラムであるSLII®研修では、マネジャー層を対象に、適切な目標設定、目標についての部下との話し合いや、定期的に部下と個別に会って(one-on-one)進捗を確認し、適切な指示や支援を与える方法などを具体的に学ぶことができます。これらの知識やスキル習得によって、期末の評価や面談もスムーズに進めることができるのです。
さらには、部下の側にはSSL研修を受けてもらえば、目標、上司による指導の在り方、面談の持ち方などについて上司と同じフレームワークを通じて学びますので、上司と部下の間での期待値のずれが解消されます。そして、これら10項目を目に見えて改善することは間違いありません。
パフォーマンス・マネジメントを導入するにあたっては、それを使いこなせるマネジャーの育成が不可欠です。まだSLII®研修をご存知ない方は、この機会にぜひご検討ください。
SLII®エクスペリエンス公開講座随時開催中。
詳細はこちら
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