ケン・ブランチャード博士からCOVID(新型コロナウィルス感染症)危機にあたってのメッセージ
変化に対する反応―よくある7つの反応と対処法
研修担当者の皆さま、COVID-19のパンデミックによって、学習方法の手段をフレキシブルに従業員に提供することの重要性とスピードが一気に高まったことでしょう。例えば、私たちもクライアントの皆様に連絡をし、目の前の課題と彼らの従業員の健康と安全を守るために、バーチャル学習やデジタル学習など様々な選択肢を検討し、最大限にフレキシブルに対応しようとしています。 お気づきかと思いますが、人は変化に直面すると、多くの感情が溢れ、思い込みに苛まされたりします。私は長年にわたって、スピーチの際に、こうした感情や想いを表面化する簡単な演習を行ってきました。それは、聴衆にペアになってもらい、自分の外見のどこかを密かに変えてもらい、ペアの相手がその変化に気づくか試すという演習です。最初は、5か所変えてもらいます。次には、さらにもう10か所を変化させます。 これは観察の演習だと思う人が多いのですが、実は変化に関する演習なのです。外見のどこか5つを変えるように言われたときの人々の表情を見てごらんなさい。そして、さらに10の変化をするように言われたときのどよめきと文句の声を聞いてごらんなさい。 この演習の振り返りでは「人々が変化にどう反応するか」といったことについて私が気づいたことをいくつか話しています。あなたはこういう反応に出くわしたことがありますか? 1)ぎこちない、落ち着かない、自意識が強くなる 変化とは、何か違うことをすることであり、したがって何らかの居心地の悪さを感じるのが常です。実際、何か新しいことに取り組むとき、居心地の悪さを全く感じていないとすれば、実はやり方を何も変えていないということでしょう。この時期には、人々の感情に注意を払いましょう。 2) 最初は、手放さなくてはならないことに意識が向く 人々が変化を余儀なくされたとき、当初の反応が喪失感だというのは自然なことです。前進するためには、喪失感に向き合わなければいけません。変に聞こえるかもしれませんが、失うものに対して嘆く機会を与えられることが大事なのです。その機会とは、時間をとって、どう感じているか話し合うという単純なことかもしれません。起きていることを処理する機会を与えましょう。 3) たとえ他の人たちも同じ変化を余儀なくされていたとしても、孤独感を感じる 周囲の人も同じような状況に陥っていても、「なぜ私がこんな目に?」と感じてしまうことも自然な現象です。変化を上手く乗り越えるには、つながりと相互理解感を感じられることが重要です。人々が必要としている助けの手を差し伸べましょう。 4) 受けとめられる変化の度合いには限界がある 2,3種類の変化、またはたとえひとつでも度合いを超えた大きな変化が訪れると、人は身動きがとれなくなり、生産性が下がります。そんなときには、最高の結果をもたらすのに必要な2,3個の行動にエネルギーを集中してもらうための明確なプランと戦略を持ちましょう。 5)変化に対する心の準備度合いは人によって異なる ほとんどの人が変化に対して何らかの抵抗感を感じますが、一部の人はやがて変化に対して発奮するようになる一方、いつまでも変化を恐れ、何か違うことをすることに抵抗する人もいます。すべての人が同じ時間軸にいるのではないと心得ておきましょう。 6)十分なリソースがあるのか心配になる 組織に所属する人が何か違うことに取り組むよう頼まれたとき、「仕事が増えるのだから、リソースも増やしてもらわなければ」と考えがちです。しかし、今日の市場環境で競争力を保つためには、組織は、同量またはより少ないリソースでより生産的になっていかなければいけません。費用切り詰めの必要性について説明できるようになりましょう。 7)元の行動に戻れる日を切望する 多くの場合、人々は、変化への取組み努力が終わりを迎えたときに元のやり方に戻れることを期待しています。これは自然な現象ですが、マネジャーとしてはそれを阻止しなければなりません。元のやり方に戻ってしまっては、学んだこと全てを失ってしまいます。変化は前進していくためのものであり、良いことであると人々が理解できるよう助けましょう。 直近の変化の波を対処するとき、よくある7つの変化への反応を覚えておいてください。人々が変化に上手に対応できるよう支援することで、皆さんの組織はこの変化を乗り切ることができるでしょう。 忘れないでください。あなたは一人ではありません。他者に手を差し伸べましょう。私たちにできることがあったら是非教えてください。共に、この変化を乗り切りましょう。 Ken BlanchardHRカンファレンス講演レポート『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』
11月6日(水)に開催されたHRカンファレンス特別講演『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』の内容
誰もが恩恵を受ける、エンパワーメントの文化をつくる3つの鍵
リーダーにとって、チームが自律的に動ける組織文化をつくることは、常に重要な課題です。従来の指示型からエンパワーメント型の文化へ変えるには時間と労力がかかりますが
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