
全社員と正確な情報を共有する~第1の鍵
ブランチャード・ジャパン監修の全世界50万部超のベストセラー『社員の力で最高のチ-ムをつくる 1分間エンパワーメント』が漫画本になりおかげさまで好評を得ています。
エンパワーメント理論を実践する3つのプロセスとして紹介されている、第1の鍵「全社員と正確な情報を共有する」をご紹介しながら「エンパワーメント」について少しずつ深堀していきたいと思います。
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なぜメンバーが自発的に動かないのか?
以下は書籍に紹介されているある社員の言葉です。みなさんの会社でもよく聞かれる声なのではないでしょうか。
業績に関する細かな情報は、経営者や上司から伝えられ、そこから部署の方向性が与えられ、一人ひとりの行動も方向性が決められる。それが会社というものだと思っていました(P58)
どんな状況になれば、社員は変化するのか?それにはなにが必要でしょうか?
社員がもっとも必要としている情報は?
組織のエンパワーメントを実現するために必要な1つ目の鍵は「全社員と正確な情報を共有すること」です。社員が必要な情報と役立てられる内容をご紹介しましょう。
全社員がもっと知りたいって思っている情報は、「うちの会社はどれだけ儲かっているのかな?」だと思いませんか?売上はどれだけ上がっているのか?利益はどれだけ上がっているのか?市場ではどれくらいのシェアをとっているのか?どの部門が業績良くて、どこが悪いのかどこにどれだけ費用がかかっているのか?自分の部署は業績に貢献できているのか?生産性は高いのか、低いのか?不具合や問題は起きていないか?顧客からはどんなクレームが多いのか?そんな経営に関するあらゆる情報を現場一人ひとりに公平に共有している会社など、滅多にないと思いますよ(P57)
これらを実現することができれば、現場が正しい判断をタイムリーにでき、またより早く正確に知ることで、現場で素早い対応が可能になります。自発的に動きやすくなるかもしれません。
経営者が必要としているのと同じ情報を、社員もまた必要としている。包み隠さず共有することが必要なのです(P58)
簡単にはできない、うちの会社ではそんなこと到底無理だな・・・と思いますか?
もし大事な情報を隠されたら?
本にも書かれていますが、たしかに家族や友人との関係で想像してみると、もし自分だけ知らされていなかったことがあったらどうでしょうか?一緒にがんばりたいのに、力になりたいのに大切なことを知らされていなかったら、無力感を感じますよね。
本にはこのようにも書かれています。
アクセスできる情報に差をつけるとは、「この話は、君にはまだ早い」と態度で示しているので同じですね(P59)
徹底した情報共有が経営者意識と意欲を生む
情報共有は会社と社員に信頼関係をもたらし、一方で、情報を隠すと「あなたを信用していない」というメッセージに他ならない、と書かれています。
これにより、「情報共有」が与えるメッセージはメンバーの気持ちに以下のように影響を与えます。
情報を隠さず全て共有すると→自ら仕事を企画し、行動したくなる
情報を隠し選んで共有すると→やる気を失わせ、指示待ちにさせる (P74)
情報共有をすることで本人が納得する目標が見つかり、積極的に達成したいと思えます。
真の経営者は失敗から学ぶことを許し合う
本には、「失敗を許すこと」「失敗から学ぶこと」で自立する社員が生まれる、と書かれています。エンパワーメントを実現するためには、失敗を歓迎する文化が欠かせません。失敗はお祝いしてもいいくらいです。

「おめでとう!ここから何が学べる?」→失敗を共有して自ら対策や改善策を考える
➡仕事と組織の成長に対して積極的に関わりだす
「誰の責任だ!」→失敗を隠し、挑戦をしなくなる
➡仕事と組織の成長に対して無責任になるというわけです。
失敗についてオープンに語り合う会社は、組織としての成長も早くなります。失敗から学ぶ習慣が経営者意識を育むでしょう。

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