バーチャル研修は、「対面の代替」ではなく「可能性の扉」~株式会社スマートニュース様のSLIIⓇ導入事例
急成長する組織に急務だったマネジメント力強化
スマートニュースは、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」を使命とし、2012年に設立された新進気鋭の企業で、日本に数社しかないユニコーン(評価額10億ドル以上の未上場企業)です。設立以来、事業の急速な拡大に伴い、2020年末時点で、拠点は日本・米国・中国に計6か所、従業員数は400名以上になりました。そうした状況下、いくつかの組織課題が浮上してきました。 急成長する組織においては、全員がプレーヤーとして動く必要があり、管理職はいわゆるプレイング・マネジャーでしたが、どうしてもプレーヤーの役割だけに終始してしまいがちでした。あるいは、マネジメントしている人たちは、それぞれのやり方をとっており、部下の混乱を招くこととなりました。また、組織の急拡大に伴い、エンジニア職の人たちを急ぎマネージャーに育てる必要もありました。社内で行った従業員意識調査からもマネジメント力強化の必要性は明らかでした。 そこで、スマートニュースのマネージャーに求める役割を明確化し、その役割を果たせるようになるためのスキルを習得する研修をマネージャー層の方々に提供することになったのです。マネジメント力強化のパートナーにブランチャードが選ばれた訳
スマートニュースのJP People Operationsのヘッドの成田均様は、数社の研修会社を比較した上で、ブランチャード・ジャパンをパートナーとして採択した理由を以下のとおり語ってくださいました。 「ブランチャードを選んだのには主に3つの理由があります。第一に、弊社は世界に挑戦するという使命を掲げていますので、プログラムは世界に通用するもの、そして外国語でも質を落とすことなく提供できる研修会社を求めていたのですが、その点でブランチャードは申し分ありませんでした。 第二のポイントは、弊社のニーズに合うよう提供方法を柔軟に対応させられることです。ブランチャードのプログラムは、Eラーニング、バーチャル研修、ブレンデッド方式など、様々な提供方法があります。 そして、第三に、前職のときから、ブランチャードのSLIIⓇモデルのことは知っていて、弊社が抱える課題の解決に合っているだろうと考えたことです。」工夫をこらした学習体験
業者選定プロセスを経たのち、成田様ならびにブランチャード・ジャパンの松岡、加藤とで企画したSLIIⓇ学習体験は、ユニークなものになりました。 まず、ピープルフォーカス・コンサルティングの調査ツールである「チーム効果性調査」を使って、各マネージャーは自分のチームの状態や課題を把握しました。「チーム効果性調査」は、チームのリーダー(マネージャー)とメンバーがウェブ上で、チームのベクトル・プロセス・ヒューマンに関する約30の質問に回答するものです。 そうしてマネージャーたちに自チームと自分のリーダーシップの現状について問題意識を持ってもらった上で、SLIIⓇを受講してもらいました。対面方式のSLIIⓇは2日間のプログラムですが、今回は1日目をEラーニング形式で実施。SLIIⓇの理論を各自で学習していただきました。2日目はバーチャル方式(オンラインでリアルタイムに集合)で、講師主導のもと、ディスカッションや実践練習を中心に、実施されました。 さらに受講後3か月間、受講者は5人1組のラーニングチームを形成し、隔週でオンライン・ミーティングを持ち、学習したことの実践状況を共有し合ったり、疑問点について話し合ったりしました。自分たちで解消できなかった疑問点については、事務局がとりまとめたリストを講師に送り、講師が書面で回答しました。 ラーニングチームの様子について、成田様は次のように述べていらっしゃいます。 「同じ問題、課題に直面しているマネージャー同士が、SLIIⓇのメソドロジーを現場で実践する中で得られた成功経験、失敗体験を共有し、自身のマネジメント行動を振り返り、新しい知恵を得て現場に戻り、また実践する...この経験学習サイクルが奏功し、それぞれのマネージャーが抱える問題の解決が進んだように思います。また異なる部門のマネージャー同士のネットワークが築けた事も副産物となりました。」 また、講師を務めたブランチャード・ジャパンの松岡未季は、振り返って、次のように述べます。 「取組み全体で重視したのは、マネージャー同士の対話です。自チームの課題を共有し、チーム力を高めるための方法を議論したり、学んだスキルをどのように現場活用するかを持続的に学び合ったりする仕組みを設計しました。マネジメントは一人で正解を出せることばかりではありません。マネージャー同士が自己開示し、協力し合うことで相互啓発を促すことが取組みの肝だと考えました。実際に受講者からも『対話によって実践的なヒントを得た』『(研修で学んだ)共通言語を使って互いにフィードバックし合える仲間を得た』等の声が多く寄せられました。今回の取組みをきっかけに、マネジメントを互いに高めようとする文化が醸成されることを期待しています。」グローバルに展開し、世界でマネジメント共通言語を確立
次に、マネジメントの共通言語をグローバルに確立すべく、スマートニュースの海外拠点への展開がスタートしました。アカウント・コーディネーターの加藤は、次のように述べています。 「現在は、中国でSLIIⓇを展開中ですが、中国にいる中国人のみならず、アメリカや日本在住の中国人の方も一緒に受講されています。国境を越えて人々がバーチャルに集合して、同じ学習体験ができるというのは感慨深いです。このときに、『バーチャル研修は対面研修の代替ではなく、可能性の扉だ』と感じました。」 「プログラムの中身にしても、担当者とのやりとりにしても、それぞれのお国柄やカルチャーを踏まえて進めることが大切でした。たとえば、中国人向けには、その国民性を鑑み、ブレンデッド方式ではなく、全てバーチャル方式で行っています。」 なお、中国人向けSLIIⓇプログラムを担当しているのは、ブランチャード・ジャパンのジェーン・チェン。中国語、英語、日本語が堪能なマルチリンガル講師です。 せっかく普及しつつあるバーチャル研修。皆さまも、その利点を存分に活用して、従来はできなかったような新しい取り組みを始めてみませんか? SLIIⓇ公開講座はこちら ピープルフォーカス・コンサルティングのチーム効果性調査についてはこちらHRカンファレンス講演レポート『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』
11月6日(水)に開催されたHRカンファレンス特別講演『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』の内容
誰もが恩恵を受ける、エンパワーメントの文化をつくる3つの鍵
リーダーにとって、チームが自律的に動ける組織文化をつくることは、常に重要な課題です。従来の指示型からエンパワーメント型の文化へ変えるには時間と労力がかかりますが
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