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人の育成に科学を入れるー藤岡氏インタビュー

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 <藤岡長道様のプロフィール>
野村證券で証券アナリストを経て投資調査部長、企業調査部長を歴任。また、野村総合研究所人材開発部長として全社研修体系の再構築、リーマン統合後の野村證券人材開発部シニアアドバイザーとして、グローバル研修体系の構築を推進。航空機リース会社、信託銀行の取締役を経て、2011年からワークハピネスに参画。ATD-JAPAN理事。日本人材マネジメント協会常任役員代表。

―SLII®を知ったきっかけは?

2010年ごろ、野村證券人材開発部シニアアドバイザーだったときです。野村証券が欧州とアジアのリーマン・ブラザーズの社員を雇用した頃で、私は野村と元リーマンの外国人の混成チームで仕事をしていました。

そのときに、外国人メンバーがSLII® のことを口にしていました。また、当時応募してくる人事のプロの人の履歴書には、よく資格欄にSLII®認定講師と書いてある。そこで、グローバルではリーダーシップ研修としてSLII®はスタンダードの一つだと気づきました。
私自身は、SLII®、すなわち状況に合わせて対応するリーダーシップの考え方は知ってはいましたが、それがSLII®という研修プログラムになっているということまでは知りませんでした。そこで、さっそく問い合わせてみたというわけです。
公開講座を受けてみて、「これはいける」とぴんと来て、当時の人材開発部長と課長にも紹介して受けてもらいました。人材開発部長は「これをもっと早く知っていれば」と言っていましたね。そして、彼らが認定講師となり、支店長をはじめとして、管理職層に展開していきました。

―SLII®のどういうところがよいと思われたのでしょう?

人の育成に科学を入れるという点です。それ以前の野村證券では、管理職は自分の経験則や自己流で部下育成をする傾向がありました。そのやり方が合う部下もいれば、合わない部下もいる。マッチかアンマッチかは不安定でした。そこにSLII®を学べば、自己流でなくてマッチできるようになる。どんなマネジャーでも方法論を理解した上で部下を育成できるようになるところが魅力です。
外資系と違い、日本の会社は、戦力外通告をして社員を再編成することができません。したがって、誰もが活躍する人材になるように社員を育てる必要がより強いのです。海外で先に広まったSLII®ですが、日本企業も活用できるでしょう。

それから、SLII®では、人をタスクごとに分析する点が良いですね。日本の会社では、階層別、年次別に人を管理する傾向にあります。たとえば「3年目だったらこのくらいのレベル」といったような人の見方で、平均値で捉えがちです。一方、SLII®では、各人が担当するタスクごとにレベルを見極めます。証券業に当てはめていえば、たとえば「Aさんは、日本株はD4レベル、債券はD3レベル、デリバティブ商品はD2レベル、外国為替はD1レベル」といった具合です。そしてレベルに合わせて、Aさんの上司は指導法をマッチさせていくわけです。こうすると、一人ひとりの部下を観察するのが丁寧になり、指導がきめ細やかになるのです。

また、組織には往々にして、できる人が2割、できの悪い人が2割、ふつうの人が6割いるといわれています。できる人は褒め、できの悪い人は叱り、ふつうの人はほっておかれるということになりがちです。しかし、タスク分解によって適切に関わり、6割の人たちの成長を促せば、組織全体の業績へのインパクトも大きいです。
実際に、研修を受けたマネジャーの部下たちが育ってきたことが明確にわかり、業績も向上した例がありました。

さらに、上司本人の自己分析・自己開示にも役立ちます。たとえば人材開発部長になったとの自分を自己分析してみますと、管理職・プロジェクトリーダーは初めてではなかったのでマネジメントスキルではD3レベル。しかし人材開発部長としては当時「金融の現場から離れたら自分の市場価値が下がる!」と思い著しくモチベーションダウンしていましたから、D2レベル。影響力やプレゼンテーションはD4レベルといった具合でした。このように自分の開発レベルを周囲の人に開示すれば、相互理解が促進され、お互いに仕事がしやすくなることでしょう。
そして、どの部下にどんなタスクをいつ付与するかを考えなければいけませんから、自分の部署の仕事を漫然と捉えるのではなく、タスクに切り分けて把握することになるのも上司側にとってのメリットです。

―企業の人材開発担当者への助言をお願いします。

管理職の部下育成力を高めたいのなら、コーチング研修だけでなく、SLII®を導入することも有効でしょう。にわか仕込みのコーチングスキルを実践しても、部下に「急に上司が優しくなって気持ち悪い」と思われたり、「コーチングの練習をしているのだな」と見透かされたりすることがあります。SLII®を学ぶと、マネジャーは部下一人ひとりを丁寧に見るようになるので、自然とコーチングするようになります。
それから、もし管理職全員に研修を受けさせるだけの予算がない場合は、うまくいっていない部門を選んで、そこだけに導入するとよいでしょう。そうすると部内の雰囲気が変わり、業績もアップする可能性があり、そうすれば、他の部門も「うちもやりたい」と言い出すでしょう。そして、SLII®のD1、D2などの用語や考え方を組織の共通言語化していくことでさらに、コミュニケーションの質や育成効果を高められると考えていいでしょう。

―貴重なお話、どうもありがとうございました。

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