「お客様は神様」ではない!:星野リゾート代表とケン・ブランチャード博士の対談を振り返る
2021年4月9日、夢の対談が行われました。星野リゾートの星野佳路代表とケン・ブランチャード博士とのオンライン対談です。星野さんは、兼ねてから、ブランチャードの著書について「我が社にとっての最高の教科書」と公言されており、ブランチャードの理論を忠実に実践しながら、星野リゾートを大きく発展させてきました。それを知る日経ビジネス編集部とブランチャード・ジャパンが企画して、二人の対談を実現させたのです。
対談は以下の2021年6月7日、同9日掲載の『日経ビジネス』電子版でご覧いただけます。(有料会員限定)
「日経ビジネス」電子版2021年6月7日掲載
星野リゾートの「教科書」の経営学者に聞く 最高のチームの創り方
星野佳路氏〜ケン・ブランチャード氏対談(前編)
「日経ビジネス」電子版2021年6月9日掲載
リモートでチーム力を高められる? 星野リゾート代表と世界的権威が語る
星野佳路氏~ケン・ブランチャード氏対談(後編)
対談の詳細については、上記の媒体をご覧いただければと思いますが、ここではモデレーターを務めた黒田由貴子から、特に興味深かった点やエピソードをお届けいたします。
ZOOMで初めて顔を合わせたお二人。星野さんはコーネル大学の大学院に留学されたご経験をお持ちですが、ケン・ブランチャード博士の息子(スコット・ブランチャード、ケン・ブランチャード社の現社長)もコーネル大学出身だということで、さっそく、共通項が見つかり和やかに会話がスタートしました。
「ブランチャード博士の書籍はこれだけ広く読まれているのに、エンパワーメントされた組織が世の中に少ないのはなぜだと思いますか?」
これは星野さんからの質問でしたが、それに対するブランチャード博士の答えには、彼の真理が反映されていました。
彼は、
「多くの経営者の考え方は逆になっているからだ」
と主張します。そして、
「経営者は利益のことを最初に考えてしまうが、そうではなく、従業員のことをまず考えるべきである。従業員を十分にエンパワーすれば、従業員が顧客を大切に扱うようになり、大切に扱われた顧客はその企業やブランドのファンとなり『営業代行」をしてくれる。そうすれば最後に利益はおのずと付いてくる」
と説いています。
「ピラミッドを逆さまにしなさい」とブランチャード博士はよく言います。従業員がリーダーを支えるのではなく、リーダーが従業員を支えるべきということです。これが、まさにサーバント・リーダーシップですね。
ただし、エンパワーメントを避けるのはリーダーだけとは限らないことを、両氏は指摘しています。エンパワーされることには責任が伴い、従業員側も覚悟が求められるからです。
また、対談の中で、マーケティングやカスタマーサービスの手法も話題にのぼりました。日本には、「お客様は神様」という言い方があるくらい、顧客の声を大事にしようとしますが、ブランチャード博士は、「『顧客が望むこと』を把握する前に『自社が望むこと』を明確にすべき」と言います。これもエンパワーメントには重要なことなのです。なぜなら、自社が成し遂げようとしていることに対して従業員が共感し情熱を持ってこそ初めて、顧客に心底からのサービスを提供することができるからです。そのことに関し、星野さんは、「日本企業は顧客の声を聞きすぎるので、製品もサービスもコモディティ化してしまった」と指摘されています。
ちなみに、「ケン・ブランチャード社が望むこと」は、サーバント・リーダーシップを世の中に広めることです。ケン・ブランチャード社の従業員全員、そして我々のようなブランチャードの代理店を務める各国のパートナー組織も皆が、この目的に共鳴し、一丸となっています。
他にも興味深い話題や問題提起がてんこ盛りです。また、対談記事の短縮版は日経ビジネス本誌(紙面版)の6月28日号と7月5日に掲載予定だそうです。是非、ご一読ください。
※ブランチャード博士の考え方やエンパワーメントについての無料説明会2021年7月15日に開催いたします。詳細とお申込みはこちら
HRカンファレンス講演レポート『あの有名企業社員はなぜ自分で考え行動できるのか~自発性を引き出す「エンパワーメント」の3つの鍵~』
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