ダメ上司が会社の業績を下げる7つの方法(とその対処法):その2
前号では、ケン・ブランチャード社は米国業界誌「Training」との共同調査で明らかになった、上司のイケていない7つの行動をご紹介しました。上司のイケていない行動が、従業員のエンゲージメントレベル、社内のベクトル、生産性、定着率などに悪影響を及ぼすことは明らかです。一方、上司がより効果的にリーダーシップを発揮できるようになると、売上の7%増に匹敵するインパクトがあることを、ケン・ブランチャード社は検証しました。
自社のマネジャーらが「イケていない上司」から脱皮し、効果的なリーダーシップを発揮できるようにするために、マネジャー育成担当者はどうしたらよいでしょうか。5つの提言をいたします。
1. 自社のパフォーマンス・マネジメント制度の運用状況を確認する
簡潔な内部調査を行い、マネジャーがメンバーの目標設定をきちんと行なえているか、何パーセントのメンバーが自分の目標を書き記しているかなど実態を把握しましょう。目標の文章は、具体的で、意欲が掻き立てられ、達成可能で、会社全体の方向性との関連性があり、進捗把握可能であるべきです。
2. 従業員の目標が、チームや部署の目標と整合性があるか再確認する
従業員は、優先度の高い業務に取り組んでいるかを確認しましょう。マネジャーたちに、自分のメンバーと優先順位について話し合うよう促しましょう。
全員が同じ方向に向かって動いていれば、組織の生産性は大きく向上するはずです。
3. マネジャーがメンバーに費やしている時間を把握する
従業員が、定期的にコーチングや業績評価を受けることは有益です。マネジャーが、メンバーのパートナーとして、メンバーの目標達成に関与するにあたっては、「進捗を確認すること」と「フィードバックを提供すること」の2つが最も効果的です。ケン・ブランチャード社は、上司は自分のメンバーと最低月に2回、話し合いの場を持つことを推奨しています。
4. メンバーが優先度の高い仕事で成果を出すために必要なことは何かマネジャーが見極められるようにする
マネジャーは、メンバーの状況に合わせて自分のスタイルを調整できるようになるべきです。メンバーの状況とは、与えた仕事に対する経験度や自信の度合いといったことです。そうした状況に合わせて、マネジャーが指示や支援の量を調整すれば、メンバーは自己の成長と業務の遂行を同時に果たすことができます。
適切なトレーニングを受けていないマネジャーは、99%の場合、適切にリーダーシップ・スタイルの調整ができていません。マネジャーへのトレーニングは不可欠です。
5. 業績評価の方法を見直す
多くの組織では、目標は年度の冒頭に設定され、目標に対する業績の評価は年度末まで行われません。ケン・ブランチャード社は、簡単でもよいので、90日毎に業績評価の話し合いを持つことを推奨しています。そうすれば、都度、必要に応じた軌道修正を行うことができますし、年度末にサプライズが生じることが防げます。上司は、メンバーが目標を達成するためのパートナーであるべきなのです。
このようにして、マネジャーのメンバー指導方法を見直し、そのためのスキルをマネジャーに付与すれば、マネジャーが優れたリーダーシップを発揮し、組織全体のモチベーション、生産性、整合性などに好影響を与えます。そして、間違いなく組織の業績にプラスの効果をもたらします。
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※本記事は、ケン・ブランチャード社のEBOOK『7 Ways Poor Leaders Are Costing Your Company Money』を基に書かれています。
原文はこちら
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